枯れた蔦の延う かつて栄えた大地は 水を奪い去り眠る竜の住処 ある日 生け贄の少女が紡いだ歌に 騒ぐ鳥たちが竜(かれ)を呼び覚ました 「人の子よ、おまえも雨を求めて城(ゆめ)を侵すのか」 何も願わずにいた少女 やがて怒る竜に伝えた 「永遠の孤独な命より共に終焉(おわり)を迎えたい」 飾られた絵画の余白に 拔け落ちた無数の歴史 竜神の涙が降る大地に 祝福よあれ