[00:36.23]檻の中に隠すように鉤をかけた重い扉 [00:44.30]流れ着いた無辜の人に爪を立ててしまわぬように [00:52.22]止まる事無く響く音 扉の向こうの人の鼓動 [01:00.18]積み重ねて辿り着いた その世界(むこう)に声をかけて [01:08.36]「会いに来たよ」 [01:10.31]夜に映る声の人 [01:12.27]差し出される手に震える心 [01:16.21]それでも私と貴方の錆びない爪は [01:20.31]手にした世界を壊してしまう [01:23.56]止まるように流れ行く時間のなか 逢いたい人の全てを無くして [01:31.56]込み上げるその声で人のように泣き叫ぶこと  [01:36.78]ただそれだけは逃れたかったけれど [01:56.28]音を無くした独り部屋 虚空に宿す自画像の [02:04.18]翼を引きちぎるために 貴方はまた闇を纏う [02:12.27]「生きているの?」 [02:14.30]牙を見せて嗤う影 [02:16.30]飲み込むのは渦潮の残響 [02:20.33]それでも孤独が私を蝕むならば [02:24.30]貴方の爪さえ引き受けましょう [02:44.27]言葉は壁に張り付いたまま音を求めて蠢いていて [02:52.29]扉は固く閉ざされてまた私と貴方を二つにする [03:07.51]切り裂かれて崩れた部屋の中 [03:11.52]逢いたい人の姿に怯えて [03:15.62]遺されて泣き出した女のように消えて行くこと  [03:20.78]その行く末をずっと恐れているけど [03:23.49]太陽も月も無い闇の中 逢いたい人の姿を捜して [03:31.50]行き着いたその先で人間のように愛し合うこと [03:36.73]ただそれだけをずっと望んでいたの