秋風に包まれて 君の唄、天高く舞う 憂いさえ携えて その顔を宵闇に映した 時が過ぎ、君遠し 寒き心に秋は来る 紅を纏わせた 朝霧に背を向けて 長すぎた年月 その瞳さえ霞ませて 隠れ行く月の姿のように 消え失せる運命なら 夢幻の空、雲を浮かべ 淡く染上げる涙の花 この声、届かなくとも 奏で続けよう 行く道は果てしなく 入日薄れて影が散る 風の音に身を任せ 言霊は棚引いて 鮮やかな景色が 永久に連ねられぬように その想い、変わってしまうなら 消え失せてしまいたい 夢幻の空、色無き風 心匂わせる長き夜 その唄、聴こえなくとも 想い続けよう 夢幻の空、雲を浮かべ 淡く染上げる涙の花 この声、届かなくとも 奏で続けよう 見上げた空の彼方へと あの日聴いた唄、口ずさみ 響いた言葉はいつか 夢幻ノ如ク――