夜顔の告白 samayuzame/ぴぼ ふさわしい 徒花(あだばな) 抱いた嫌いは逆しま ただ曖昧なままの光に 合言葉 照らした 割れた鏡 止まれない ごっこ 窓を失くして 絶った匂いが満たした浴室の壁には 夕に 空に 中に 暗に 溶ける日常 吐いて 感染(うつ)した 藍色の感傷は 螺旋の随(まにま)に 誰彼も 創造の糧 嘘を試して 疑い 衝(つ)く罪には 狙いは不確か これからも 聖女のままで 片手じゃ足りない 食いあい 捕らわれて 桃花(とうか)の眼(ひとみ)に 夜を間違えていく 紅く跳ねる呼吸音 腫れた傷口  誰にも言えない 手を繋いだ 秘密で 今日も 明日も ずっと 無垢を剥がして 冷めた体 纏えど 言葉は裏腹 火照(ほて)る 汗ばむ現実 嘘を愛して 煩わしい心を 見透(みす)えた破滅で 太陽殺して 飽いて 優しさ 充てがえば呆気なく 螺鈿の箱庭 枯れ削がれ 想像の果て 嘘を暴いて 頬に触れた罰なら 願った暮らしは いつまでも 幻のままで お望み通り