[ti:K] [ar:Bump of Chicken] [00:01.918]k [00:02.172]週末の大通りを 黒\貓が歩く [00:06.82]御自慢の鍵尻尾を水平に 威風堂々と [00:11.517]その姿から貓は 忌み嫌われていた [00:16.545]闇に溶ける その體目掛けて 石を投げられた [00:27.107]孤獨には慣れていた 寧ろ望んでいた [00:32.341]誰かを思いやる事なんて 煩わしくて [00:37.930]そんな貓を抱き上げる 若い絵描きの腕 [00:42.957]「今晩は 素敵なおチビさん 僕らよく似てる」 [00:48.594]腕の中もがいて 必死で引っ掻いて [00:53.621]孤獨という名の逃げ道を [00:57.786]走った 走った 生まれて初めての [01:02.612]優しさが 溫もりが まだ信じられなくて [01:08.532]どれだけ逃げたって 変わり者は付いて來た [01:18.519]それから貓は絵描きと 二度目の冬を過ごす [01:23.598]絵描きは 友達に名前をやった [01:26.801]「黒\き幸」ホーリーナイト [01:28.934]彼のスケッチブックは ほとんど黒\くめ盡くめ [01:33.916]黒\貓も 初めての友達に [01:36.865]くっついて甘えたが ある日 [01:39.504]貧しい生活に 倒れる名付け親 [01:44.403]最後の手紙を書くと 彼はこう言った [01:48.514]「走って 走って こいつを屆けてくれ [01:53.390]夢を見て 飛び出した僕の 帰りを待つ戀人へ」 [01:58.167]不吉な黒\貓の絵など売れないが [02:01.673]それでもアンタは俺だけ描いた [02:03.960]それ故 アンタは冷たくなった [02:06.348]手紙は確かに受け取った [02:28.550]雪の降る山道を 黒\貓が走る [02:33.475]今は故き親友との約束を その口に銜えて [02:38.670]「見ろよ、悪魔の使者だ!」 石を投げる子供 [02:43.605]何とでも呼ぶがいいさ [02:45.949]俺には 消えない名前があるから [02:48.129]「ホーリーナイト」「聖なる夜」と 呼んでくれた [02:53.570]優しさも溫もりも 全て詰め込んで 呼んでくれた [02:58.192]忌み嫌われた俺にも 意味があるとするならば [03:03.630]この日のタメに生まれて來たんだろう [03:06.834]どこまでも走るよ [03:08.918]彼は辿り著いた [03:11.405]親友の故郷に 戀人の家まで [03:15.874]あと數キロだ [03:18.57]走った 転んだ すでに満身創痍だ [03:22.925]立ち上げる間もなく 襲い來る 罵聲と暴力 [03:27.886]負けるか俺はホーリーナイト 千切れそうな手足を [03:33.66]引き摺り なお走った 見つけた! この家だ! [03:38.662]手紙を読んだ戀人は もう動かない貓の名に [03:42.168]アルファペット1つ 加えて庭に埋めてやった [03:45.823]聖なる騎士を埋めてやった