[00:01.032]届け届け 君へ繋がれ [00:08.686]あの日の約束刻み 夜を駆けて [00:20.598]彼女の姿を消してから数日 [00:23.968]クロナは睡眠をとることすら忘れ街の中を駆け回った [00:29.819]けれど確たる情報は掴めないままに [01:15.951]行き交う人の群れへ手当たり次第に [01:22.351]ただ無心に尋ね彷徨う [01:28.673]似通う姿を見かける度 希望が [01:35.125]生まれては消えていく その繰り返し [01:41.499]唯一の手掛かりは最後に交わした [01:47.638]行き先告げる君の言葉だけ [01:54.038]未だ踏み込めぬ礼拝のその地に [02:00.412]糸口見出せる そう信じたくて [02:07.831]響く響く 嘆声は空へ [02:14.492]心の悲鳴が波紋となり拡がる [02:20.944]早く早く この身を清めて [02:27.318]一歩でも君に近づけるのなら [02:47.380]遂に訪れた洗礼の朝、あの日門の前で見た顔ぶれが集まり始める中で [02:53.702]ふと一人の少年が足を止め少女の顔覗き込む [02:58.613]「ねぇ君、大丈夫? すっげえ顔色悪いよ。どこかで休んだ方が……」 [03:06.972]思えば彼女がいなくなってから眠ることすら忘れていた [03:11.648]見ず知らずの少年にも分かるほど酷い顔をしていただろうか [03:16.820]そう考えながらクロナは口を開く [03:20.608]「大丈夫」そう答えようとした刹那 [03:24.030]視界は揺らめいて [03:25.676]次第に霞む意識 遠退く彼の声 [03:31.893]視界は白に塗りつぶされ [03:38.554]早く彼女を迎えに行かなくては [03:44.745]心はざわめくのに何故動けない? [03:50.910]髪撫でる春風は君の手に少し [03:57.205]似ているなんて夢の中思う [04:03.710]優しい木洩れ日に促されるよう [04:10.005]見知らぬ部屋の中 ふと目を覚ました [04:16.484]ふわり笑い 少年は告げる [04:22.779]"おはよう よく眠れたようで何よりだ" [04:29.414]その姿に全て思い出す [04:35.631]私には成すべき事があると [04:42.084]こんなことしてる場合じゃない——! [04:46.472]「ちょ…まだ動いちゃ駄目だよ!自分が倒れたて覚えてないの」 [04:50.861]「でも!でも、私はどうしても洗礼を受けなきゃならないと!そうじゃないと、私は…」 [04:57.391]「落ち着いて、洗礼なんてもう今から行っても間に合わないよ!」 [05:01.884]「何があったら知らないけど、俺で良かったら話してみて、ね?」 [05:26.204]ぽつりぽつり 言葉を紡いで [05:32.813]堪えきれなかった涙が溢れ出す [05:42.191]痛む痛む あの日から消えぬ [05:48.905]心の空洞は何で埋めればいい? [05:55.305]早く早く少しでも早く [06:01.705]会いたいと願う気持ちをぶつけた [06:12.441]「そうか、事情は分かた。ここであったのも何かの縁だし、俺も君の親友探しに付き合うよ」 [06:20.591]「え?うん、でも……」 [06:23.439]「一人より二人の方がずっといいだろう。また倒れても困るし、洗礼をすっぽかした者同士、仲良くしようぜ」 [06:32.347]「俺はキーリア、よろしく、ええと……」 [06:36.448]「私はクロナ、巻き込んじゃてごめなさい」 [06:42.090]「その……よろしくね」 [06:47.236]得られる情報に心当たりがあるわけじゃない [06:51.181]けれどこの出会いはなぜだかとても心強く思えた