作曲 : 凋叶棕 八月○日 今日は何も無い。すばらしく、退屈な一日だった。 夢を見て 目が覚めて その想いに揺ら揺られ うだるよな とろけそうな 誰かが死にそうな青空(そら) 人一人 いやしない ファーストフードの片隅 夢の続きに思いを馳せて 街行く子供が 楽しげにはしゃぐ そういうとこだけ どっちでも変わらないんだな それじゃあ また明日 そんな言葉掛け合った あいつらは きっとまだ 何も知らずにいるんだ 前向いて よそ見して 変わらず無敵のままで 今という時間のその全て それが無限に続くだけ 今日という日のその向こうに 明日が来ることを知っても それが何が変わっただろう? 不思議なことなど何も無い たとえばこの何もかもが 全部変わってしまっても それでもきっとその全て「たどりつく」だけ 八月×日 今日も何も無い、すばらしく、退屈な一日だった。 振り返り 大通り 大画面に映る文字 つまらない 意味の無い 終わる時代の残映 ありきたり 流行り廃り 何もかもばかばかしい 誰も気にもしてない気がする 街行く子供だけ 楽しげにはしゃぐ そういうとこだけ どっちでも変わらないんだな 私より より無敵 なんという相対性 愚かしさ 浅はかさ 尚余りある強さが そうすこし 煩わしい そしてどこか恐ろしい 心のどこかに掠るように その重さだけ耐え難い たとえ昨日を見据えても どれだけ後ろを向いても ああ川の流れのように 前に進んでいくだけなのか そんなの意味などないんだと 虚空(そら)に向けて呟く先 誰も彼もを道連れに 『明日』(ネクストヒストリー) 何も怖くない? またあっちで逢えばいい? 帰らない戻らない 最後の夏に そっと別れを告げるよう 未来によせたダイアリー ただはやく ただはやく 時代は加速していく 明日も 明後日も そしてその次の日も 唯一性 反故にして はたしてこの自分だけ 永遠でなどいられようか? お前もいつか置いていかれる 始まる時代があるのなら 終わる時代もあるのだろう 置いていかれたものたちと 置いていくものたちの世界 その二つとも知る私(もの)よ お前は何処に行けばいい? 「たどりつく」先を知らない、その行末。