[00:26.481]聞こえたふりで聞き流して、 [00:31.171]見えてたようで見えてなくて、 [00:35.667]「それなら、どうする?」 [00:40.134]それも消えて。 [00:44.861]ありふれた、さよならなんだ。 [00:49.852]忘れたらそれでもういいんだ。 [00:54.310]自分を騙すのは、得意だからさ。 [01:02.424]羽は、もう散った。 [01:09.774]それなのに、今も僕は。 [01:17.648]どんな世界を、望んでるの。 [01:27.547]昔、この景色は、緑で覆われてた。 [01:35.629]陽が伸び始めて、草木の芽生える季節を、 [01:43.442]春と名づけた。 [02:05.388]見下ろした、雲の切れ間、 [02:10.833]期待した、春の予感。 [02:15.521]裏切られて、うつむいて。 [02:23.117]羽を、失くしたから、 [02:30.953]やり直しは、きかないって、 [02:38.546]ずっと、ずっと、途方に暮れた。 [02:48.448]昔、この星は、命で溢れてた。 [02:56.751]深い青をした、星を覆う水たまりを、 [03:04.239]海と名づけた。 [03:07.907]昔、地上には、多くの人が住んだ。 [03:15.709]地上と天上、その隙間を埋めるものを、 [03:23.570]空と名づけた。 [03:27.749]あれから、泣き果てて、 [03:31.904]気づいたときには、世界は枯れていた。 [03:40.010]それから、記憶の中の景色を求めてた。 [03:47.892]いつか手放したもの、今更欲しくなったんだ。 [03:54.683]記憶を辿り続けた。 [03:58.126]視界が滲みはじめた。 [04:01.508]きれいな景色を見つけた。 [04:04.644]嫌いな自分を見つけた。 [04:08.814]さあ仲直りしよう、自分を愛せたなら、 [04:16.904]世界は色づき、現象は名を取り戻す。 [04:24.499]夢の続きへ。 [04:28.143]大気は震えだし、四季は巡りゆく。 [04:36.271]時は動きだし、命の種は蒔かれゆく。 [04:43.886]世界が始まる。