[00:00.450]言葉をあなたに捧ごう [00:03.702]この僕の心と同じ憂いを文字に籠めて [00:09.448]どれだけ綺麗に描けたならあなたに届くのか [00:21.953]文学者の恋文 [00:32.446]涙零した二つの少し離れた雨傘 [00:40.945]あなたの声が聞こえない [00:44.451]雨音が邪魔をした [00:48.444]初めて誰かに恋をしてた [00:52.451]きっとあなたも気づいていたね [00:57.442]胸を裂く切なさを手紙に綴ろう [01:05.453]言葉をあなたに捧ごう [01:08.449]この僕の心と同じ憂いを文字に籠めて [01:14.450]どれだけ綺麗に描けたなら伝わるだろうか [01:22.193]言葉にできないなんて逃げ出せない [01:26.199]まるで一人孤独な文学者 [01:30.193]僕が織り上げた言葉でこそ [01:34.198]届けてみせたい [01:53.946]変わらず空は晴れない [01:57.439]二つ並んだ雨傘 [02:01.444]あなたの指に触れた日 [02:04.938]雨音が遠くなる [02:09.189]拙い手紙を渡したけど [02:13.194]雨に滲んだ文字が読めない [02:18.198]それでも「ありがとう」とあなたは笑った [02:26.197]言葉をあなたに贈ろう [02:29.447]もう一度いつか必ず渡すと約束した [02:35.194]そうする自分が悔しかった [02:39.189]あなたの優しさも [02:42.937]飾らぬ心を書けば幼すぎて [02:46.943]姿もない「誰か」に笑われた [02:51.194]その時忘れてしまったもの [02:54.688]幸せの中に [03:13.946]寄り添う月日は黄昏ゆく [03:18.697]僕らに残された時間は [03:22.191]あと僅かだと知っているのか [03:26.197]目を閉じあなたは呟く [03:30.190]「最後に願いが叶うのならあの日の手紙を下さい」と [03:37.943]ただ言い残して眠りにつく [03:48.697]例えば「好き」と一言の手紙でも [03:53.688]あの人は大切にしてくれたのだろう [03:57.689]本当は自分も分かっていた [04:01.695]けどできなかった [04:05.436]心を綴ることから逃げ出した [04:09.440]僕は一人無力な文学者 [04:13.433]語ろうとしてた「誰」のために [04:17.440]誰のために? [04:21.444]だからせめてまたあなたに会うときは [04:25.440]あの日の僕が続きを渡すから [04:29.187]ペンを走らせる窓の外に [04:33.192]雨音が響く