繋ぐ。 留める。 些細な命引き換えても、 貴方の運命に抗うためなら。 狂気な姿を曝け出してみせる。 貴方を絶対渡さないから。 夕凪ぐ世界 「モウイイカイ?」 木霊する ざわめく鬼の嗤う声みたい はじまりの鐘が茜色に染まる空。 謳う虫も貴方を探してる。 やめて。やめて。 刻々近づく時を 息をころし、強く睨み返す。 薫る。 白檀。 一筋上る白い螺旋。 何処かへ誘うように揺れるから、 涙で掻き消し、貴方の頬撫でる。 神さえ拒むわ。ここに来ないで。 宵闇までは 「まだだよ」 潜むだけ。 ざわめく森の音を盾にして。 吹き荒れる風が群青に溶け込む空。 光る星も貴方を求めてる。 やめて。やめて。 綺麗な場所と謀って、 夢を見せて、連れては行かないで。 暁になる 「もういいよ」 呟いた。 日が差し込んで、 貴方照らしてる。 終わり告ぐ鐘が、水色に染まった空。 謳う鳥が貴方を癒すけど……。 起きて。起きて。 私に笑みを返して。 そっと、そっと……胸に耳を当てる。