忘れられた花びら拾上げ 片手に乗せて空へと放つ 黒い川に流れ去りゆけたら 穏やかな眠りを… 素足で踏みあげる砂原を 静かに篭り銀の燐火 君の泣き骸を葬り彼の地に 風吹かせて 羽折れた小鳥は行方知らず 爪先緩んで 土へ落とし 朽ち葉色の黄昏を帳に 二度醒めぬ 常闇ノ世 故ニ常ニサマス 空シサニ託シ日々彷徨フ 実が売レル先ニ凍テ付ク莟 暁待チ 崩れる足取り 波に濡らし 語りかけ 場もない 願い届かぬーー 一つ二つ三つの灯火 闇に溶けて 蛍のように 愛しきその胸元の奥から 静寂が漂う 無邪気の目で笑っていた面影 永久の安らぎへ沈み込む 亡き者を運ぶ 黒い子猫よ 目を伏せばいい