作词 : あるぱちかぶと 作曲 : Eccy 夢を見た 静かな夢 どこまでも広がる草原の丘の上 私とあなたとこの子だけ 時間が雲のようにゆっくりとゆっくりと過ぎていく ただ肩を並べる 木の幹に寄りかかる 貴方のその眼は何を映したの? 霧の込めるベープを歩く 少し肌寒い 十六夜の晩 霞む灯台が誘う 時間通り友人と盃を交わし ふらつきながら船着場まで辿り着いた俺は 山の峠に隠れる満月が 物憂げな海に浮かぶ船を上下に揺らす様に気をとられる 「ごめんなさい 待った?」 振り返ると黒髪を結った君が息を切らし立っていた 「いいえ」 灰白いその顔を月明かりの造る影が艶やかに彩る 「実は明日の朝ここを発つ」 彼女の肩を押さえそう伝える 潮騒の音が沈黙を遮る 「いつ、戻るの」 と問う無垢な瞳 俺は目を空に逸らしながらこう言う 「わからない」 一切は杳として不確かでおぼろげ 我々は進んでいくだけ 足元のみを見 感情を飲み込みながら生きながらえるために耐える 狼狽えることはない たとえびっこ引こうとも屹度して戻り またにっこりと笑えるはずだから そうだ 約束しよう ホラ 総てが終わったら その時は血みどろの過去を捨て 君とその腹の子の側に寄り添いたい 非力だがその為にはどんな悪をも振り切りたい 感情に咽ぶ君を細い手首を掴み手繰り寄せる シャボンのような一殺那の手綱をひたすら引きとめ息を止める 痛いほど一度だけひしと抱きしめた 感情に咽ぶ君を細い手首を掴み手繰り寄せる シャボンのような一殺那の手綱をひたすら引きとめ息を止める 痛いほど一度だけひしと抱きしめた あの日から一年と二月が過ぎた ひもすがら血眼に地を這いばった 重い荷が背骨を削った 一日の終わりには筆を持つ気も失せた ここではあらゆる瞬間が最後になりうる つまり死という空間に繋がっていて 片手はいつでもドアノブの上 君たちを運ぶノアの箱舟を遠くから見送る 逃げても逃げてもそんな映像が毎晩俺を捕らえた 毛布に包まれど睨まれているのを感じた しばらくして喜怒哀楽も干からびた 底なしの気だるさ ひどく狭苦しく 抜け出せず絶えず動く 目まぐるしく 足元の水溜まりを見つめる やつれたシルエット 吸殻を力なく打遺る 悲しみのしみ込む漆黒のカラシニコフ 氷のような冷たさは頰骨を貫く 弾薬をまかない銃把を握る まっすぐ銃口をその目交にあてがう 乾く目 一滴の汗が喉元を伝い 引き金に掛けた人差し指 切れる蝶番 二つの世界の境目を跨いだあと 鼻をつく火薬臭と耳鳴りのみが残された あぐらかき油汗をまずガーゼで拭う ビロードの外套のうえ鳩尾に突き立てる 微動だにせずあばらえぐり静寂を裂く 金切り声 赤錆色に染まりゆく床へ かなぐり捨てるクリスタルガラス 関の孫六 横たわる 炙られる熱さにもがく 遠のく意識は回る万華鏡のように 虚空に伸び続ける螺旋階段をゆっくり昇りだした あの日から三年と半年が過ぎた 耐えられぬ痛みばかり与えられるあなたは いつものっぺらぼう ポツリと呟けどあの空の四隅へと吸いとられてる風船 薄暗い河川敷 ペチャンと尻餅つき お月様の知らん顔の下で独りうずくまる 仰向けに寝転がるとこそばゆいこめかみ よみがえるお手紙を三度読み返す おセンチなお天気 オレンジ色の夕焼け 懐に吸うだけで灰となりふとどこか 遠い処へふわふわとこの身は 綿毛のように吹かれていってしまいそう 胸を焦がし明日も身を粉にして生きるの? ポタポタと努めて待つことに些か草臥れた旅人の焚き火を消す木枯らしはなんて冷たく そしてそっけないのかしら 雲の流れを眺めながらいつもの 泣き真似のつもりが積もりつもって 涙目になる私は本当にだめだ だらしない弱虫だ アテもなくもがくアメンボのよう 故障を来たしたこの世から雨模様のあの世に 恐る恐る腰を浸すことが潔く思えて いっそ今日に蓋をして 凡て一緒くたにした世界でひっそりと暮らしたいの