Color.1.恋文 私たちは一緒にいることが当たり前だった だが、大人になるにつれ 人にはそれぞれ自分の歩む道があることに気が付いた 私は私、君には君の道がある ずっとあの頃のままでいたかったけれど もう時間は取り戻せない 君も私も進まなければいけない 自分の道を 君は怒るだろうか この現実を突きつけてしまったこと 気が付かなければよかったというだろうか 私たちの関係が壊れてしまうかもしれないこと 身勝手な私を許してほしい 私はこの決断を悔やんではいない ただ、胸が張り裂けそうに痛むだけだ 私の傍に君がいない 有り得ない、認めない この先も共に歩む人は君しかいない どうか私と一緒に来てくれないか 私には君が必要だ 他の誰でもない、君が 情けない男だが 君を大切に思う気持ちは誰でも負けはしない 君を愛しているんだ ちょっといいかしら 引っ越しの準備は進んでいる あら あらあらあら、嫌だわ、その 何であなたが持ってるの え?偶然見つけた そうよ、これ書いたの、お父さん ほら、最後見て あがねさんへ、千歳よりって書いてあるんでしょう お父さんが就職して田舎から上京してくる時にね お母さんにこれ手紙を送ってきた そう、これが告白だったのよ いつも口下手なくせに 手紙になると、いつもこうやって、まっすぐに気持ちを伝えてくれるの そうよね 特にお父さんはあなたの前だと格好つけたがるから 懐かしいわ~ あ、この手紙を読んたってことをお父さんには秘密にしてね どうしてって 知られたら、きっとこの手紙捨てられちゃうわ 照れ屋だから、お父さん だから、 お母さんとあなただけの秘密、いい? 約束よ