[00:00.71]運命の赤い糸 [00:01.19]彼女と出会ったあの日は、まだ夏の暑い目差しにむせ返るほどだったのに。いつの間にか、外には秋の涼しい空気が漂っている。 [00:14.00]彼女も生徒会に入ることを了承してくれて、今日は書記として、ほかの役員に負けないぐらいよく働いている。 [00:24.30]「ん~、職員室に書類は出したし、生徒会室に戻るか。あっ!すみません!書類、今拾います。って、お前かぁ。ずいぶんたくさん持ってるなぁ。一人じゃ重いだろう。貸せ。俺が持ってやる。」 [00:54.27]「そうだ。お前、小さい頃雪の多いの町に住んでたことはないか?」 [01:03.21]「転勤が多かったから、よく覚えてない?ん、そっか。俺、昔お前によく似ってる女の子に会ったことがあるんだ。 [01:16.06]だから、お前を一目見て、その子だと思って、最初声をかけた。 [01:22.58]なんて言ったらいいか分かんないけど。会った瞬間に運命を感じたんだ。お前は運命とかって信じる?」 [01:34.22]「ふんふん~赤い糸は信じてるって。可愛いところもあるじゃなか。 [01:42.68]俺も信じてる。だって、すれ違っただけでも、一緒忘れられない出会いになることがあるから。 [01:53.17]それって、運命だと思わないか?お前を初めて見た瞬間、俺は自分の運命の赤い糸がお前と繋がってる。 [02:07.33]そう思ったんだ。でも、俺だけがそう思ってても仕方ないよなぁ~」 [02:18.83]---にほ鳥の息長川は絶えぬとも君に語らむ言尽きめやも--- [02:28.96]川の流れは尽きることがあっても、貴方に話したいことは尽きない。 [02:36.96]俺は初恋の女の子を思うたびに、まるで失恋をしたような気持ちになった。 [02:44.89]でも、今は違う。彼女が思い出さなくても、また一緒にいられるだけで、俺は嬉しかった。 [02:55.11]彼女が全部思い出した時、俺はもう一度言いたい。 [03:02.34]お前のことがずっと好きだったって……