赤い系の代わり 冬休み初日、彼女のリクエストに答えって、俺たちは遊園地へやって来た。いろいろな乗り物に乗り、彼女は子供みたいにはしゃいでいた。ふと気付くと閉園時間を告げるアナウンスがなっていた。 「ああ~結構いろいろ乗ったな~メリーゴーランドにジェットコースター、コーヒーカップだろう。後はぁ……」 「ん?何だぁ?最後に観覧車に乗りたい?はぁ~俺はいいぞ。もう後一時間で閉園だし、観覧車で最後にするかぁ~」 「へええ~俺観覧車って初めて乗ったかもしれない。結構高くまで登るんだなぁ~あれが学校か。じゃあ、あそこが俺の家か?お前の家は……あっちか? ここからだと夜景が綺麗に見えるんだな~観覧車に乗らなきゃ気付かなかった。今日一日、楽しかったか?」 「そっか。楽しかったならよかった。」 「俺?俺はお前と一緒にいれば、どんなことだって楽しいに決まってるんだろう。そうだ。お前に渡したい物があった。これは俺からお前への愛の印。手出して。目閉じれよ。」 「もう開けてもいいぞ。小さくてびっくりしたか?この箱の中に何が入っているのか、自分で開けて確かめてみろよ。この指輪、お前にやる。」 「何?受け取れないって!どうして?別に高いものじゃないから安心しろう。それに、指輪を渡したからって、付ける付けないはお前次第だ。お前が決めろ。 だけど、俺はそれを半端な気持ちでやるわけじゃない。もうどう言う意味か分かるよな。 ---妹も我れも 一つなれかも 三河なる 二見の道ゆ 別れかねつる--- 貴方と私は一心同体だから、分かれることなんてできない。 「俺たちはお互いを繋いでいる赤い糸が見えないから、お前にこの指輪をやる。この指輪は俺とお前を繋ぐ赤い糸の代りだ。目に見える赤い糸も悪くないだろう。 もし明日、まだお前と離れ離れになることがあったら、俺はこの指輪を頼りにお前を探す。だから、お前に持っていたほしいんだ。」