[00:01.12]大切な物 [00:09.50]それから何年か経ち、俺は大人になった。相変わらず俺たちは一緒にいる。時には喧嘩をしたり、笑いあって、あたり前だけど、大切な毎日を過ごしながら、ここまでやってきた。 [00:30.20]「おい!前が持ってきた荷物はここでいいのか?」 [00:36.13]「え?違う?あっちの部屋?分かった。運んでおく。お前はそっちよろしくな。俺は向こうの部屋で自分の荷物出してるから。ああ~でも、重い荷物があったら呼べよ。」 [00:52.86]お揃いの食器、二人で選んだ家具、今日から俺たちは一緒に暮らし始める。 [01:04.25]「ああ~あいつまたこんなところに荷物を広げたままにして……まったく、仕方ないな~片づけてやるかぁ~これ、俺が返した椿の花のブローチだ。ふ~あいつ、ずっと持ってたんだな。」 [01:30.97]この椿の花のブローチのおかげで、俺たちは小さい頃合ってたことに気づいた。俺がずっと持ってて、今度はあいつが持ってる。んん、何だか不思議な気分だなぁ~綺麗だ。俺が拾った日のままだ。 [01:39.18]---大地も 採り尽すとも 世の中の 尽くし得ぬのもは 恋にしありけり--- [02:09.05]大地には地平線があるが、恋の思いには限りはない。 [02:18.44]「え?どっこに行ってたんだよ。ここの片づけ終わってないだろう。どうかしたのか?はぁ~これか。いや、お前まだ椿の花のブローチを持ってたんだなぁって。」 [02:36.57]「大切なものだから?そうだな。お前にとっても大切なものだよな。ほら、こち来いよ。ブローチ、俺が付けてやる。綺麗だ。 [02:56.35]今日からはそのブローチごとお前を絶対大切にしていく。改めてよろしくな。」