作詞:小椋 佳 作曲:堀内 孝雄 年経(へ)れば 安心立命(あんしんりつめい) 晴耕雨読(せいこううどく) 閑雅(かんが)の境地(きょうち) そんな世界に 立ち至(いた)るかと 思い描(えが)いて来たけれど 年経れば 恋をするにも 深い恋をと望む摂理(せつり)か お前に逢って 恋の罠(わな) 虜(とりこ)となって雁字搦(がんじがら)めとは 恋をして 周章狼狽(しゅうしょうろうばい) 一路邁進(いちろまいしん) 無限の矛盾(むじゅん) そんな自分に 驚(おどろ)き惑(まど)い 心静かを願いつつ 恋をして 若い日よりも 此(こ)の直向(ひたむ)きさ 此の只管(ひたすら)さ 心の奥の 綾(あや)と襞(ひだ) 燃えて密(ひそ)かに 悦(よろこ)んでいるよ 今の私を 人に曝(さら)せば 「年甲斐もなく 我忘れたか 魂(たましい)を奪(うば)われたかと」問われよう 問われたとして 臆面(おくめん)もなく 「不似合いだとて 酔いも狂いも 此の命 生きる証(あかし)」と応えよう 此の先は 天真爛漫(てんしんらんまん) 真実(しんじち)夢中(むちゅう) 自然(じねん)で自在(じざい) 流行事(はやりごと)への 気遣い無用 思いの儘(まま)を繙(ひもと)いて 此の先は 恋の羅針(らしん)に 想いの儘を鏤(ちりば)めようか お前と二人 恋の淵(ふち) 歳経る事に 夢へと描き変え 今の私を 人に曝せば 「年甲斐もなく 我忘れたか 魂を奪われたかと」問われよう 問われたとして 臆面もなく 「不似合いだとて 酔いも狂いも 此の命 生きる証」と応えよう