[00:20]夜毎に私の洋墨は垂れる [00:28]人生を綴る羊皮紙の上に [00:35]それなり甘美な筋書き [00:42]それでも書棚に積み上げられた [00:50]古今東西本の中 [00:55]あなたの小説ひとつに [01:01]及ばない [01:04]活字貪り生きられればいい [01:08]扉開けるように次の表紙を [01:11]また開く [01:15]現など捨てて行く [01:19]ここは崇拝図書館 [01:24]神々しく気の触れた [01:26]その右手のペン先が [01:29]私の脳に物語を [01:32]認めてく官能 [01:35]ああどうか躰を裂き [01:39]じかに美しい妄想 [01:43]注いでください [01:45]失神するまで [02:02]叡智は閃光と暗澹湛え [02:10]熟成されながら言葉に宿る [02:17]悪魔と天上の爛酔 [02:25]他に何も私はいらない [02:28]あなたの世界へと飛べる [02:31]想像力あれば [02:36]命かけ読み耽る [02:40]ここは終身図書館 [02:44]見目麗しく並び語られる [02:47]文字は音楽 [02:50]瞼も胸も捲られてく [02:52]目眩く幻覚 [02:55]もうどうかこの魂 [02:59]潰れるくらい凄絶な [03:04]たった一度きりの結末をください [03:36]奇なる事実より奇な [03:40]ここは禁断図書館 [03:44]私が死んだ後は [03:46]青褪めた皮膚を剥ぎとり [03:50]鞣して縫い合わせて [03:52]装丁に飾ってほしい [03:55]時の黴纏いつつ [03:59]世界に唯一の私家版 [04:03]誰かが手に取るまで [04:07]息を潜める [04:14]私こそあなたの描いた妄想