夜明けに溶ける 細い指先 あの微笑みと 空になった籠 繋ぎ合わせた 記憶も掠れ もう… 夜闇に沈む 願いを手折る 心音の雨 ぽつり、また落ちて 戻れる場所も 優しい声も 今はないから このままで 手を伸ばして願うことも すこし疲れたよ 淡い色で揺れめくのは 戻ることない 軌跡 身を焦がす冷たい火 胸を侵した小さな罪 君のこと思うほど 消えたいほどに だけど生きてる 記憶、断片、鳥籠の日々 ウソツキだった僕を責めていて 焔のむこう 枯れた花さえ潰え 戸惑いながら飛び立つすがた 佇む僕は過去だけ重ねて 想い出さえもいずれ失くして あの時から 凍える火に抱かれ眠る日々 もう一度あの手をなんて 在るはずのない 奇跡 焼かれてく 罪だけを胸に残して 沈んでいく ひとりきり 夜のなか 手を伸ばすのは誰なんだろう