遠い笛の音 消える花火 錆びた売り声が空に融ける 赤い電球 長い橋の ずっと向こうまで続くばかり 賑わいの夜に住む男の 祭りの灯は何処にある アセチレンの背中に誰か 祭りの唄聞かせてよ 帰り道で振り向けば すべて闇の中 銀の風船 屋根を越えて 光る河の上渡ってゆく 風に吹かれついて行きたい 夕闇の外套を着て 声を嗄らし駆けて行きたい 明日はもう知らない町 時のかけら逃げてゆく トラックに乗って 月影の道を往く彼の 旅の夢は何処にある 耳鳴りの止まらない耳に 旅の終わり教えてよ 賑わいの夜に住む彼の 祭りの灯は何処にある アスファルトに揺れる瞼に 祭りの唄聞かせてよ