ジャパン 奥村愛子 ジャパンは彼の手にかかってる 捧げるは愛すべき風土 鐘の鳴る音響く頭上の声 偽りの空へ飛び出した アクセルを踏んで 環八を抜けて 錆びたガードレールの隙間に潜むヤツを見つけた ヤツは面倒だぜ そのノコギリを貸せ 幾度となくめった切ったこった かすりもしないんだ 己の闇まで その手を伸ばせ 彼はささやき 街へ駈けてく ジャパンは彼の手にかかってる うずたかく盛るジャンクフード 金のなる木は心を噛みちぎる 遠くの空は光りだした ラストスパート 晩餐会のあと 膨れた腹抱え脂ぎったその隙をつくんだ 己の頭で その手でつかめ 彼の言葉は 空へ駈けてく ジャパンは彼の手にかかってる 捧げるは愛すべき風土 鐘の鳴る音響く頭上の声 偽りの空へ飛び出した ジャパンは彼の手にかかってる 捧げるは愛すべき風土 鐘の鳴る音響く頭上の声 偽りの空へ飛び出した