作曲 : ピクセルビー 作词 : 少女病 「エフティヒア」 Lyrics:少女病 Compose&Arrange:ピクセルビー Vocal:Mitsuki Voices:丹下桜、子安武人 最初(さいしょ)は少(すこ)し 戸惑(とまど)いもしたけれどすぐに お腹(なか)の中(なか) 新(あら)たな生命(いのち)に 「こんな私(わたし)も、母(はは)になれる」 喜(よろこ)びが全身(ぜんしん)を包(つつ)んだ この先(さき)にどんな世界(せかい)があっても この子(こ)を守(まも)っていこう お腹(なか)を蹴(け)る音(おと)に 誓(ちか)いながら 笑(わら)いながら いま愛(あい)を謡(うた)う 幸(しあわ)せに形(かたち)があるなら きっと子(こ)の姿(すがた)をしているのでしょう こんなにも愛(いと)おしい痛(いた)みもあるなんて 知(し)らずにいた ねぇ、ありがとう。大切(たいせつ)にするよ―――― 目元(めもと)はちょっと優(やさ)しげで 彼(かれ)に似(に)てるかな? 抱(だ)き上(あ)げると 重(おも)さを感(かん)じた 私(わたし)の全(すべ)て 愛(あい)らしい子(こ) 二人分(ふたりぶん)、愛情(あいじょう)を注(そそ)ごう 片親(かたおや)だからと 寂(さび)しい想(おも)いは 絶対(ぜったい)させないから 一人(ひとり)で二人分(ふたりぶん) キスの雨(あめ)を降(ふ)らせながら いま愛(あい)を謡(うた)う その子(こ)は まっすぐ育(そだ)って 大人(おとな)びた顔(かお)つきを 見(み)せるようになる 少女(フィーナ)は その物語(ものがたり)を追(お)い ふと気付(きづ)き我(われ)に返(かえ)る その子(こ)の浮(う)かべる笑顔(えがお)は館(かん)の執事(しつじ)のものと重(かさ)なる 「そうよ、彼(かれ)は……」 「ほら、私(わたし)の名前(なまえ)はあなたが一番(いちばん)よくご存知(ぞんじ)だったでしょう?」 『彼(かれ)は、少女(しょうじょ)が出産(しゅっさん)した時(とき)に生(う)まれてくる子(こ)。 可能性(かのうせい)の一欠片(ひとかけら)。逞(たくまし)しく成長(せいちょう)した姿(すがた)』 エフティヒア 私(わたし)が消(き)えたら あなたの可能性(かのうせい)も 死(し)んでしまうのに ねぇどうして 私(わたし)を責(せ)めないの? こんなにも 愚(おろ)かなのに エフティヒア 私(わたし)にいつしか 男(おとこ)の子(こ)が生(う)まれて 名(な)をつけるならと 決(き)めていた それは幸(しあわ)せの優(やさ)しい形(かたち)をして…… ねぇありがとう、エフィー。救(すく)ってくれて―――― 「ありがとう。ごめん、ごめんね……」 「いいんですよ、泣(な)かないでください。さあ、時(とき)が来(き)ました。 私(わたし)としてはまたいつか、今度(こんど)は違(ちが)う場所(ばしょ)で会(あ)えることを願(ねが)うしかありません。 さよならは、言(い)わないでおきますね」 『抱(だ)き合(あ)う二人(ふたり)の姿(すがた)は、決(けっ)して親子(おやこ)には見(み)えなかったけれど。 その光景(こうけい)は、またひとつの物語(ものがたり)の種子(しゅし)となり、砂時計(すなどけい)の一欠片(ひとかけら)になっていた…』 終わり