[00:00.990]枕の下に時計を入れてみた。 [00:05.070]耳を当てると時は少し柔らかに聞こえた。 [00:15.000]秒針の残響音が嫌な感じで [00:22.090]一日のもがきを奏でているようだ。 [00:28.420] [00:29.730]心臓がドキドキしているのがわかった。 [00:35.450]喉が乾き、闇を吸い込んでみた。 [00:39.740] [00:42.080]街の影が瞼に焼き付いている。 [00:49.240]それを巡るといくつもの言葉をなくした [00:56.280]誰かの表情が隣にいつもあったような気がする [01:05.930]すべての風景にはメロディーがある。 [01:11.340]彼は街のあらゆるオブジェと友達になれた。 [01:18.480]人はやがて彼を裏切ったが。 [01:22.540] [01:31.510]に詰まったコーヒーを出すさびれた喫茶店。 [01:36.890]ビルの片隅には錆びた鉄パイプ。 [01:41.470]ガードレールの上には空しい背中が並び、 [01:46.170]排気ガスを撒き散らす車の流れにはあきらめを感じた。 [01:52.910]空は隠れていた。 [01:56.200] [01:58.790]彼は手にするものなど何もないと言って [02:06.230]笑ってみようとしたが、 [02:09.720]自分自身に感じる何かがひとつでもあれば、 [02:17.300]やっぱりすべてのものに [02:21.690]意味が隠れているような気がした。 [02:26.140] [02:27.740]背負い込むことより、 [02:31.720]優しく語りかけてあげたいな。 [02:36.240] [02:37.710]だからこそ君がいて、僕がいて、 [02:45.810]ひとつにくるまるシーツがあって。 [02:52.150] [02:53.700]君は昔のことを語ってくれた。 [03:03.070]僕はハンドルを握ると、 [03:07.120]君を掴まえたような気がしていた。 [03:11.520]雨は止まなかった。 [03:16.180]ラジオもとぎれとぎれに耳を澄ました。 [03:24.150]君の話しとDJのおしゃべりと [03:29.070]つなぎ合わせながら、僕はあらゆる言葉を [03:34.830]感じてメロディーを奏でた。 [03:39.140] [03:40.270]彼女には全く話しを聞いていじゃない [03:44.590]と言って怒られたけれど、 [03:48.890]そこで、また新しいメロディーが生まれたよ。 [03:53.790] [04:19.730]振り返るとゴツゴツしていた。 [04:24.800]最終の電車よりも、もっと後の街にも、 [04:31.360]それでも人は生きていた。 [04:34.510] [04:36.430]闇の中に耳を澄ましてごらん。 [04:41.460]君の心の叫びは、 [04:47.570]すべての物との関わりの中から生まれるんだ。 [04:53.340] [04:58.030]