形见分けで贳った 祖母の机に 古ぼけた写真と 封筒が眠っていた 祖父でないそのひとは 若い兵士で 出しそびれた恋文の 宛名の主だろう 昔 爱した ひとだろうか せつなく别れた ひとだろうか ユキノシタの白い花を祖母は爱していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を 时代とはいえども 祖母の秘めた恋は 谁に语る事もなく 静かに闭じていた どんな风に祖母を 爱したひとだろうか そのひとの面影は 少し仆に似ていた どんな思いで谛めたのだろう どんなに悲しく想い续けたのだろう ユキノシタの白い花を祖母は爱していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を 今は昔の物语 人知れず咲いて 消えた花 ユキノシタの白い花を祖母は爱していた 石垣にすがるように 耐えるように咲く花を