梦を梦で终わらせたくないと 君はこの町を出る ちぎれるほど振るその指先が 芒にとけた秋の日 野分き吹く安昙野(あずみの)に君の后ろ姿 まだ明け染めぬ空に名残り月 仆の爱を一包み 君の知らぬ间に その小さな荷物に忍ばせた それに气付く程疲れた时は 思い出して梓川 君は味气无きその便笺に 恋を觉えたと缀る 山を染めた白が山葵の花に 色を移した春の日 立ち升る阳炎に君の面影を 映してすぐに消えた忍草 乱れ染めうつろいゆく そんな人の夜に 咲いてまた散る一炊の梦 鸟が一声啼いてゆく 日は西へと落ちてゆく 君は梦の道程を 君の色で染めて 幸福になれ それも仆の爱 春疾风安昙野に辛夷の香り撒いて 今暮れなずむ空に胧月 梦がそっと归ってゆく ふと八十八夜