日ごと夜ごとに芳しき花に心奪われざらまし あはれ愛おしきかな蝶々 ここら殿方達はそこかしこ 輝く絹の御髪、黒く濡れた眼、桜の頬は 全て全てそなたを惑わせるための禁断の甘い蜜 感じて、呼吸も忘れるほどに 夢のようなこの美しさを―― 我がためなるは唄ぞ、舞ぞ、数多の供物ぞ 真にこの身にふさわしき華を ああ恋し、いとしや、をかしや この美しさに霞むことなく輝き放つ まだ見ぬ宝玉をいざたまへ 臆する者はよにあさまし 甘き声を聞くこともその視線投げかけることも許すまじ ほら、ねえ――簡単でしょう? 日ごと秘め事 「誰ゆゑに乱れそめにし」われならなくに☆ あな口惜しや もののあはれ知らざる者ぞまこと空け者 さよなら永久に、裏切りの罪びと 命一つかけることもできず 青ざめゆくはその唇、何よりもかたはらいたく 犯せし咎は御身をもって贖い給いし 愚かなリ恋の戯れ 差し出すもののなかりせば その魂とてげにあらまほしきものなりて、いざたまへ 敗者は朽ちてしかるべき これぞかぐやの姫の宴、神楽の音色と共に鳴り響く ほら、ねえ――嬉しいでしょう? 屋敷の片隅にぽつり、あかりの灯らない部屋 暗闇に響く悲鳴はいつまでも消えない