[02:32.000]生命は [02:34.000]自分自身だけでは完結できないように [02:39.500]つくられているらしい [02:47.000]花も [02:48.700]めしべとおしべが揃っているだけでは [02:52.500]不充分で [02:54.500]虫や風が訪れて [02:57.500]めしべとおしべを仲立ちする [03:17.800]生命は [03:20.780]その中に欠如を抱き [03:24.900]それを他者から満たしてもらうのだ [03:32.400]世界は多分 [03:36.000]他者の総和 [03:47.100]しかし [03:49.100]互いに [03:51.700]欠如を満たすなどとは [03:55.000]知りもせず [03:57.700]知らされもせず [04:17.400]ばらまかれている者同士 [04:21.100]無関心でいられる間柄 [04:26.400]ときに [04:28.200]うとましく思うことさえも [04:32.100]許されている間柄 [04:37.800]そのように [04:39.500]世界がゆるやかに構成されているのは [04:43.600]なぜ? [05:18.000]花が咲いている [05:21.000]すぐ近くまで [05:24.300]虻の姿をした他者が [05:27.500]光をまとって飛んできている [05:32.800]私も あるとき [05:35.300]誰かのための虻だったろう [05:39.600]あなたも あるとき [05:42.600]私のための風だったかもしれない [05:59.999]