一年分の二人の恋文を 空の中心に浮かべた夏の日 紡ぎ 繋ぎ 並べては数えた 天の川は千切れてゆく 東は白む もう夜が明けてしまう こんなに強く強く抱きしめてても どうか消えないようにと願ってても 朝は二人を東と西に分けた 来年の今日まで 七百二十八枚の短冊 枯れては土に落ちた秋の日 服の裾を掴んだ指先に 残ったのは解けた糸の屑 五色の糸でこの思いを縁取った どんなに泣いて泣いて見ても温もりは 再び後幾つと指折しても 上弦の月は逝った 一年に一度限だと こんなに強く強く抱きしめてても どうか消えないようにと願ってても 朝は二人を東と西に分けた 引き裂いた どんなに泣いて泣いて見ても温もりは 再び後幾つと指折しても 上弦の月は逝った 一年に一度限だと