愛に似たこの病 浅はかと嗤うでしょう 引き換えにこの声を 惜しみなく海に捧ぐわ 夢に見たその影と 愛おしく踊るでしょう 渇いてくこの血さえ 誇らしく意味を描くわ それは ただ 不実に彩られた波折模様 もう二度と云えない 遺るものが 言葉しか無くても。 雑じり出す真実は 解くほど絡むでしょう 引き金にこの唄を 「かみさまはどこにもいない」 それは ただ 悲劇に縁取られた御伽噺 これ以上見えない 贈るものが 痛みしか無くても。 剥がれる雫を数えるたび 泡沫に消えて ほら それは ただ 歪に作り上げた愛の模様 もう一度会いたい 遺るものが 記憶しか無くても ただ 願いしか無くても ただ 波が還す様に。