錯る空にざわめく、無限の白い空間。 永遠に続く銀景色、雪をかぶった新緑。 滾々と降り積もる雪と、囁く小さな耳鳴り。 道のない、方向感覚さえない 宛てのない徘徊 幻聴と錯視しかない世界じゃ 幻覚じゃない雪の冷たさだけが真実 慣性と怠惰しかない自分は まだ細れ雪の心地よさから抜け出せない。 ふゆぞらの、鼠色の雲が千切れてる、 淡い場所に佇む、一つの定義が私。 思考の深部が射影され、視界に幻影が映る。 深々と降り積もるスクリーンには 虚無が映ってる 意味のない、現実味のない 霞のような色を払う 単調な輪廻しかない世界じゃ 幻聴じゃない雪の軋む音だけが変化 感情も訝りもない自分は もう夢現を区別する術を忘れた 冷えた手、冷たい頬、擦る眼、繋いだ手と手。 ひたすら、ただひたすら、降る雪、目が合う刹那。 悴む、投げ出す脚、呟き、短い返答。 わかるよ、私はわかるよ。 あなたは、私がわかりますか。 錯る空にざわめく、無限の白い空間。 平面に二つの点、結んだ線が二人。 ふゆぞら、幻聴、方程式。 あなたと、私が、方程式。 ふゆぞら、幻聴、方程式。 あなたと、私が、方程式。