とまれかくもあはれ ほたる、ほたるおいで 衣で拾う手に あまえいたくあらん どこぞどこぞ 舞いのぼる ほのみゆひかり憂きし夜 みをこいふせ あまい水はこちら ほたる、ほたるおいで 苦い水をよけて かれまされとわらえ わすれがたき ありし日は ほのみゆひかり憂きし夜 みをこいふせ 夏の野の 茂みに咲くるひめゆりの 知らせえぬ 恋泣き 立葵の 花の色にも 似たる薄紅 恋の色もおなじ からからからから 息をふきかけて からからからからと かざぐるま回して さらさらさらと きよみずは流れ 風をいたみあはれ おもうこころくだけ 苦し水を飲んで 酔えぬ頬を笑え つれなし顔 つくろいて ほのみゆひかり憂きし夜 みをこいふせ とまれかくもあはれ ほたる、ほたるおいで 衣で触れる手に あまえいたくあれよと どこそどこぞ 舞いのぼる ほのみゆひかり憂きし夜 みをこいふせ あまつかぜよ 雲の通い路吹き閉じよ ひとときの 舞姫 沙羅双樹の 花の色にも 似たる輝きは まばゆし白妙に 星逢い 紐つなげど 夏過ぎれば 消えいる