「彼女こそ…私のエリスなのだろうか…」 [00:07.85 驕れる無能の創造神(かみ)にでも 成った心算なの……」 [00:39.55 (崩壊 其れは孕み続けた季節 二月の雪の日 「妹」(Soror)の記憶(ゆめ)) 「我々を楽園へ導ける箱舟は 哀れなる魂を大地から解き放つ 救いを求める貴女にArkを与えよう」 (それ)は月光を受けて銀色に煌いた… 想い出まで裏切った 冷たい言葉の雨 幸せだった二人 永遠(とわ)に届かなくなる前に…[01:18.98 涙を微笑みに換え詰め寄る 「Arkと呼ばれる物」(Knife)を握って… --愛憎の箱舟(Ark) [01:40.32 (因果 其れは手繰り寄せた糸 六月の雨の日 「兄」(Frater)の記憶(ゆめ)) 信じてたその人に裏切った少女 逃げ込んだ楽園は信仰という狂気 新しい世界へと羽ばたける自己暗示 澄み渡る覚醒は進行という凶器 最期の瞬間(とき)に廻った 歪な愛の記憶 脆弱な精神(ココロ)が堪えきれず あの日嘘を吐いた… 律すれば律する程堕ちる 赦させぬ想いに灼かれながら まぐわう傷は深く甘く 破滅へ誘う… --背徳の箱舟(Ark) 被験体#1096 通称「妹」(Soror)同じく(Soror with the "Ark", Frater in the Dark) 被験体#1076 通称「兄」(Frater)を殺害(Soror with the "Ark", Frater it's Dead) <症例番号(Case Number)12> 過剰投影型依存における袋小路の模型(モデル) 即ち<虚妄型箱舟依存症候群>(Ark) 限りなく同一に近づける 追憶は狂気にも似た幻想 求める儘に唇を奪い合い 少しずつ楽園を追われてゆく 同じ心的外傷(トラウマ)重ねれば響きあう けれどそれ以上には… 驕れる無能の創造神(かみ)にでも 成った心算なの?」か… 在りし日に咲かせた花弁は 暗闇に散り逝くように凛と 少女の声色で囁く「楽園へ還りましょう」… 監視卿(Watcher)は天を仰ぎ深い溜息を吐く 失った筈の<左手の薬指>(場所)が虚しく疼いた --ふと彼が監視鏡の向こうへ視線を戻すと 嗚呼…いつの間にか少女の背後には「仮面の男」が立っていた--