第九巻 468ページ 《 Chronicle 2nd 》 Vol.06 薔薇の アヴァロン朝 プリタニア王國 時代を象徴する二人の女傑(ヒロイン <地上の月輝(つき)>と謳われた詩人 ルーナバラッド/Luna Ballad 苛酷な旅の果てに眼病を患い 光を失ってなお歌い続け その詩を通して聴く者の心の闇に 希望の光を燈し続けた女性 <至上の薔薇>と謳われた女王 ローザギネアヴァロン/Rose Guine Avalon 暴君として知られた女王の姪であり 王位継承権第一位の姫であった 先王の治世下 その圧政に苦しむ民衆を解放した女性 「<権力者>(ばら)によって<思想 言論の自由>(うた)が弾圧されるような時代は もう終わりにしましょう 弱い自分に負けない為にも 私は大切な人の名前を背負った 嗚呼…エンディミオ もうどんな嵐が訪れようとも 私は歌い続けられる 「皆にもう一度誇りを取り戻して欲しい 祖國を愛する心を この國は皆が愛した故郷に戻れるだろうか 冬薔薇は枯れ 今遅い春が訪れた 私は此処に誓う 光の女神(ブリジット)に祝福される薔薇になると プリタニア暦627年 時の…フランドル國王 キルデベルト六世 國號を神聖フランドル帝國と改め帝政を敷き 聖キルデベルト六世として初代皇帝に即位 <聖戦>と稱し プリタニアへの侵略を開始… <薔薇の騎士団>(ナイツブザローズ それは 長かった苦境の時代を引き摺っていた人々が新しい薔薇の下 一つに纏まってゆく情景を綴った ルーナバラッドの詩の一節… 誇り高き炎を纏い祖國(くに)を護る為に剣を取った 胸に気高き女王(クイーン)の薔薇を抱いた同胞(とも)を 稱えよ我らの<薔薇の騎士団>(ナイツブザローズ)を 嗚呼…光の女神(ブリジット)の祝福が在らんことを 祈りの歌に見送られ 勇敢なプリタニアの息子達は戦場へと向かった END