「テティス」 作編曲:志方あきこ 寄せては返す 波の汀(ミギワ)に 淡く光る涙おちる 指の間を 零れて消えた 面影達を探す 濡れた瞼を照らして 輝く弓張りの月 欠けた心の 嘆きに触れた 銀の魚 わだつみは 悼みに静まり 貴方を想う 瞳に映(ウツ)る 憂いの露は 蒼く深い海の馨(カオ)り 孤独の闇に 溺れぬように 閉じた心 そっと開けて 運命の足音が 残酷に響き渡る ささやかな温もりさえ 残さず奪い去る 泣き止まぬ 小さな肩越しに 木々は途方に暮れ つむいだ言葉が 虚空に消える 心は焦がす 悲しみの火を 強い愛で今は消して 旅立つ鳥の 羽ばたく背(セナ)に 祈りの詩 そっと乗せて 心は焦がす 悲しみの火を 深い愛で今は消して 彼方の岸で 佇む影に 優しい笑み 永久に送る 終り