出し忘れた手纸が だれかの手とどくころ 日伞くるりまわした 空には昼の星 指きりした指をかみきり 去っていく影を 追いかけてはよあけにまよい ひぐれにはぐれた 昼の星に 愿いをささぐなら いつかの窓 あかり灯してと 仰い月に灼かれた やさしいだれかの梦 千の波をただよい 浜辺にうちあがる ひろいあげてハンケチ包み ポケットにしまう けして愈えぬ颜した伤の かさぶたはがれた 昼の星に 愿いをささぐなら つづく痛み うけいれるかわり どうぞわたしの 背中に羽根を この空へはばたける羽根を 上升するわたしは 空の屋根にぶつかって 堕ちていくのどこまでも ああ 昼の星 笑う 昼の星に 愿いを捧ぐなら つづくなみだ 抱きしめるかわり どうぞだれかよ わたし忘れて べつの朝はばたける羽根を