きみの細く長いためいきを 風が彼方へ連れて逃げた 空は雲ひとつさえもなくて どこか切ない気持ちになって 雨が濡らした樹々の戯れ どこいつもと違う前兆 風が愛の深さを試して きみの髪の毛をそっとなでた 変わりゆくこの星に 僕たちは生まれ落ち 戻らないあの時を 振り返り ためいきをついてしまう いつか裸足で歩いた海で きみが硝子で不意に怪我して 小さな傷口から染み出した 紅き血は海の味にも似て 変わりゆくこの星に 僕たちは生まれ落ち 戻らないあの時を 振り返り ためいきをつくけど 涙も ときめきも ぬくもりも 激しさも 過ぎ去れば夢のよう サヨナラ 風だけが秋を告げて