何もかもが しっくりとこない日差しの中 彼は些細なことを気に病んでいた それが大したことか 大したことじゃないかは 他人の判断にまかせることにしよう 彼の友人はいう "ウマクヤレヨ" 大人たちは皆 無言を当たり前にしたまま ほんとうの答えなど もう持ちはしない "オマエノモノハ、 オレノモノ" "世の中が 俺中心に回っているんじゃないにしても" せめて 俺はしあわせになれるかもしれないという 権利だけは 主張させてもらうよ だからさ もう うっとうしいことをいうのはやめてくれ 俺から巻き上げるのはやめてくれ 空は果てしなく続きながら 光と共に紛れ 彼をここに集めて 自慢げにこういう "罪人らよ その罪は許されることはない 地獄へ行け その罪は許されることはない 地獄へ行け" "地獄へ行けというんですか それならもっと 奪うだけ奪っとけばよかった" "しかたないじゃないですか 誰が悪いわけじゃないし 生も死も 超越してごらんなさい うっとうしいものなど 何もなくなる" 夜明け間近の部屋の中で 生への執着だけが 強く芽生えた彼は テレビのスイッチを 慌ただしくつけた "いったい何のために 生きようか"