[00:00.59]雨の降らないかわいた街 [00:02.54]いや俺の心が渇いているだけなのかもしれない [00:05.63]彼は、まるであてどなく家路を辿っている [00:08.65]電信柱の1本1本がとても硬そうに見えた [00:13.52]冷たく、硬く、脆そうな感じだ [00:24.66]この街に変わらないものなど一つもない [00:30.60]いったい何が、もっともすばらしいと言えるだろう [00:34.70]自分自身かい、でもそう思って生きることが [00:40.62]一番いいみたいな気がする [00:43.34]”ねぇ、君に触れてもいいかい。無理矢理口づけたりは、もうしたくないんだ [00:52.74]俺ってまだガキなんだ [00:56.63]猫なで声がいつまでたっても取れやしない [01:01.18]いつまでたってもガキなんだ [01:03.66]鉄条網の張り巡らされた僕の心の故郷に、愛する人を連れて行きたい [01:11.29]誰も気づくことのない彼の心の中の孤独は、深く無限の色に包まれ [01:19.07]誰にもその気持ちを晴らすことなんてできやしない [01:22.81]そう何かに気づかなければならない [01:25.69]彼は長く伸びた爪を、かじり、引き裂いた [01:31.84]ギザギザの爪は、とってもかっこ悪く [01:35.23]まるで彼を象徴しているようでもあった [01:37.67]自分の感性を信じていた [01:40.68]それ以外には、何もないのかもしれない [01:43.58]君が思っているわがままとは、少し違うんだ [01:48.62]彼の心の中には、君のことも、街のことも、世界中のことがいっぱい詰まっているんだ [01:58.96]きっと、君もそうなんだろうね [02:01.86]こんな唄がある [02:04.74]”あなたを悲しませるつもりはなかった [02:08.64]一度笑ってるあなたが見たかっただけ [02:15.92]パープルレインを浴びるあなたに会いたかっただけ... ...。” [02:28.71]山ほどのネオンが瞬いている街を、知っているような気がする [02:34.80]汗水たらして働く人々は、いつも昼の太陽の下でその輝きを失っている [02:43.86]通りへ繰り出す [02:45.72]ほんの30~40分の休憩の間だけ…… [02:49.75]誰もそれを本当の自由とは呼ばない [02:54.66]君にこんなことを話したところで、どうなるものでもないのかな [02:59.89]ほんとうはね、何もかも一言で片付いてしまうことがあればいいんだけど…… [03:07.80]僕のいつも身の回りにあるもの、例えばトイレの悪戯書き、なんだか笑ってしまう [03:16.68]こんなに汚れたところに、いったい、誰が、どんなふうに書き残していくというのだろう [03:25.60]どんな思いの中で? [03:28.74]どんな生活の中で? [03:31.67]晴れた空の太陽が、ゴミ屑の山さえ照らし出している [03:38.75]それが妙にちぐはぐに輝いている [03:43.81]彼にはそう見えたんだ [03:47.71]金が欲しい [03:49.62]そんな風に呟く人間が、この瞬間でさえ山ほどいるだろう [03:57.71]タフにならなければ [04:00.69]ねぇ何時間も君が来るのを待っていたのをどう思っているの? [04:07.68]ありきたりかい? [04:09.70]こんなやり方、背を向けて歩き出してしまうべきじゃなかったのかな、でもわかってくれただろう [04:21.13]言ったはずさ、ごめんって [04:24.70]街の連中は君と別れてからもそのままだよ [04:30.75]ガード下を潜り抜けるとねぇ、何かがはじけるような街の音 [04:38.18]何もかももう止めて欲しい [04:42.66]僕を突き落とさないでくれ [04:45.77]いや、いいんだ、なんでもない [04:50.80]きっと僕は変わらないかもしれない [04:54.80]いやずいぶん変わったって言われるなぁ [05:00.75]何もかもありきたりになってしまう毎日の中で、 [05:05.92]やがて今まで思い込んできた物事の一つ一つの意味を失っていく [05:15.74]そう、今の君みたいに [05:19.75]どうでもいいわけじゃない [05:21.86]風が冷たすぎるし…… [05:23.78]だけど街路樹の落ち葉が風に舞っている [05:29.65]君がそれを見ている [05:31.72]僕は何かを見ている [05:35.72]君が求めるものが何かを知ろうとしている [05:41.77]音が聞こえる [05:44.66]何もかもノイズみたいに聞こえる [05:48.83]君の思うようにならない街の中で、彼は何をしているだろう [05:53.64]いったい、どんな意味があるのかわからない [05:59.14]何度も言ったように、ひどく無意味かもしれない [06:04.48]悪口みたいだ [06:06.35]退屈とかね [06:08.32]なんだか、でも素直になることができたらって思っている [06:15.95]どっかの青年の主張みたいだけどさぁ、くだらないあがきにすぎないって [06:22.70]気分を悪くする君もいるかもしれない [06:29.75]僕を僕と思わないでくれ、君になりたいんだよ [06:33.71]君の生き方もとってもドラマチックだ [06:37.66]生きることはそれ自体、最大のパフォーマンスだ [06:43.84]街を見るといつも思うんだ [06:47.73]君のために売り買いされるものすべてが媚びているって…… [06:54.84]だからさぁ、きっと誰も見向きもしない真実が…… [07:01.53]埋もれているような気がする [07:04.76]彼と僕とはそんなところでつながっている [07:08.95]君を受け止めたい [07:12.77]何もかも受け止めたい [07:14.76]君のことなんて、ちっとも何ひとつ知らないけど [07:20.78]今、ほんとうの君の幸福を願ったとしたら、許して欲しい [07:29.40]君のことをねぇ、さっきからずっと考えているよ [07:34.82]信じていたいんだ [07:36.72]いつかきっとさぁ、 [07:39.70]君の部屋がいつも幸福に満ちている時が来ることを [07:47.76]こんな使い古された言葉は、君の目に、 [07:54.69]今映る日常と変わらないものかな…… [08:00.91]それでいいんだ [08:07.10]