君(きみ)が触(ふ)れた白(しろ)と銀(ぎん)の爪先(つまさき) また揺(ゆ)れた 離(はな)してくれないか 右手(みぎて)にスープを 左(ひだり)に星(ほし)の屑(くず) 愚(おろ)かに緩(ゆる)んだ頬(ほほ)に 紅(べに)をさした はぐれた気持(きもち)ちとこの体(からだ)は またここで待(ま)ち合(あ)わせてさ 移(うつ)ろう季節(きせつ)を一人(ひとり)眺(なが)め ただ待(ま)てばいいんだ お前(まえ)の夜(よる)がやがて終(お)わると 新(あたら)しい朝(あさ)を迎(むか)える その次(つぎ)ここに座(すわ)る誰(だれ)かと また出会(であ)える日(ひ)まで 君(きみ)が触(ふ)れた白(しろ)と銀(ぎん)の爪先(つまさき) もう枯(か)れたんだ 離(はな)してくれないか 月(つき)もまだ白(しろ)く清(さや)か光(ひかり) 匙(さじ)に移(うつ)る淡(あわ)い影(かげ) 緩(ゆる)やかにさめた夜(よる)に一人(ひとり) さびしく笑(わら)えれば 隣(となり)に座(すわ)る明日(あす)と踊(おど)ろう 眩暈(めまい)とステップでワルツを 移(うつ)ろう季節(きせつ)と同(おな)じ夜(よる)は はがれ落(お)ちてゆく 君(きみ)がつけた白(しろ)い爪(つめ)の一筋(ひとすじ) なぞれば 消(き)えた 染(し)み込(こ)むように 消(き)えた