月明かりがそっと差し込む真夜中の3時にふと目を覚ます 高い高いをしてもらった記憶を夢に見た 優秀すぎる兄弟子たちの背中に何とか追いつきたいけど 今日も1日紅茶を淹れて役に立たず終わる 「 」さあ唱えてごらん 顔を失くしたソーサラーは笑う 魔術は天使には使いこなせない 古くからの言い伝え 「 」口にしちゃいけない 銀色の杖はただ弧を描く 灯りの灯ることのないシャンデリア 封じられた呪文はまだ本の中 初めてできたお友だちは欲しがるもの全て有していて 近づく程に離れていく感覚を覚えた 手を引かれた夕食会カンテラを片手に立ち尽くした 寒くて尚暖かかったあの日が蘇る 「 」ほら唱えてごらん 面影の消えたソーサラーは笑う 降りても足の着けられぬ階段の 行く末は知らされぬまま 「 」口にしなきゃいけない エメラルドの瞳に涙一筋 捨て駒なんてのは始めからわかってる ただあなたの役に立ちたいんだ 「 」 結局僕は出来損ないだった でも君は素晴らしい魔法使いだ 最初で最後のおともだち 壊れて歪んで散った大事な大事な世界 救ってやってくださいまし、どうかどうか 魔力の欠片もなかった少年は 今ひとり静かに眠りについた