昔、登った石の階段は 見事な程に崩れ落ちて 境内まで続く砂利道で 君はぐるりの景色を見渡す 拝みに参る人は誰もなく 遊ぶ子どもも、消えたのだろう 諸行無常の響きの中に ふわり懐かしい香りがした 神様 会いたくて けど、会えなくて 迎え火で、迎えました だけどそれを望まないことわかってる 花火ひとつ、終わり 水に浸かる 蚊帳くぐり抜け出して 裸足で駆けた 記憶すっと思い出しました 残るのははしゃぐ神様の影だけ 目を閉じる遠い夏の頃へ 古いアルバム引っ張り出して 神様の姿を探すけど 君によく似た年端も行かぬ 僕の姿 写り込んでるだけ 幼い頃、遊んだ神様は ただの幻、だったのかと 一人で笑いながら遊んでる 君を眺めながら考えてた 神様 会いたくて けど、見えなくて 篝火を、灯しました だけど、ずっと神様いるんだと信じてる 下駄の鼻緒、切れて 君を負ぶる じぇんけんほいで負けて 鬼ごっこした 記憶すっと思い出しました 不思議そうな顔で見てる大人と 寂しそうな神様の横顔と、 「誰と話してるの、何もないでしょ?」 怪訝そうな周りの視線に 怖くなって神様を疑った日から 僕の前に現れなくなった 神様 会いたくて また、会いたくて 空をふっと、見上げました 誰もいない方へ手を振る君に 僕は不思議そうな顔はしない 神様、会いたくて また会いたくて 送り火で、送りました 聞こえるは僕吹く口笛だけ また、きっと きっと遊びに来てね