(それじゃあ行ってくるね) きっと良くはない夢でもみてるんだ 世界の淵から落とされ 帰路見つからず たった10文字の自分の名でさえ 今の状態では手放してしまいそうだよ 1番目のあの子は 無事に帰れたのだろうか あれは実に従順だから 使い捨てにしてもいいかなんて考えていた (はは、まさか) たったひとつだけ願いが叶うなら 何をお願いしようなんて考えたこともないや 「全部捨てちゃえば楽になれるよ?」 なんて、内側で囁くのは誰? きっと良くはない夢でも見てるんだ 世界の淵から落とされ 帰路見つからず たった10文字の自分の名でさえ 気を抜けば直ぐに食べられてしまいそうだよ 2番目のあの子は ふてくされてはいないだろうか それに操り糸をつけて 横で悪を演じさせようなんて呟いてた (はは、まさか) たったひとつだけ願いが叶うなら 何をお願いしようなんて考えたこともないや 「じゃあ全部僕が食べ尽くしててあげようか?」 なんて内側の声を掻き消して 3番目のあの子は 泣きじゃくってはいないだろうか その命と引き換えにして 世界を終わらせてやろうかなんて繰り返していた (もしもたったひとつだけ願いが叶うなら もう一度彼女と彼と彼に会わせてください) (ほら、もう名前も食されたようで 顔を見ても 呼んでやれない 力なく笑った) たったひとつだけ願いが叶うなら 光も影も果てもなきこの場所で声は響く 「業苦も憎悪も 愛でご馳走様」 せめて思い出の姿でいさせて かくて自我はきれいに食べられた (ただいま)?