村のはずれのじんじろ橋は 月の出る夜はぬれるそうな 花っ子十八 山家の育ち 村の若い衆 じんじろさに惚れて 固い約束したそうな 月が出たなら迎えにくると 言って別れた橋だそうな 花っ子月見て待ち待ち暮らす 二年 三年 じんじろさは来ずに 恋に命を捨てたそうな 昔ばなしのじんじろ橋で 今宵待つ人 旅の人 若しや私も花っ子の様に 先んず(まんず)月を見て 別れたままで 泣いて散るのじゃないかしら