こぼれてく 手のひら すり抜けてく 形もない 大切にしてたもの くたびれた態度で 閉じ込めてた どうしようもない やり場のない毎日を 朝露にかじかんだ 指先を そっと ほどいてくように 温めてく 悲しかった言葉が 滲んで染みになった こほんと咳ひとつで 消せたらいい 気付けないふりして やり過ごした 通り過ぎてく とりとめもない毎日を 雪明かり 絡まった指先を そっと 凍えないように 温めてく 楽しかった思い出を 集めたら星になった 内緒だった約束も 消えたらいい ハーメルンの笛の音に 誘われて 消えた 遠くで泣いてる 子供のように 悲しかった言葉が 痛んで傷になった 無邪気だった言葉が 溢れた こほんと咳ひとつで 消せたらいいのに ため息がまたボツンと こぼれた End