午後からの雪が 薄く土にかぶさり ほのかな においを はなちはじめる あの角の向こう 昔 死んでしまった 犬が尾っぽをふって来たの かわいい おまえにゃうそはつけないわ 私の心は おみとおしだわ うでの中のもの すべてこわれてしまう 行き止まりの 私の目の前で 尾っぽのほうから だんだん溶けてゆく おまえはどうして あらわれたのか