作曲 : 甲斐ユウ 作词 : 月棘苑子 恐れのない指先で 青褪めたねじ巻きを まわそう 古い街外れの森 石畳の塔 封じられていた黒い柩 響く狼と鐘の音は交響曲<シンフォにア> 狂乱の戦慄に走り出す 伏せられた長い睫毛と 舞い上がる花の十字架 眠りから 目覚めた 乙女の名は『Thanatos』 魂の取引をして 愛し人 喰らい続けた “成れの果ての私を呼び給うた” “成れの果ての貴方を呼び給うた” 百の祈りを以って 巡り繰る災いは満ちてゆく 何度も 遠い霧の奥深く 燃える灯火が 辿る道標 螺子の卵 揺れる首吊りと羽根の音は幻想曲<ファンタジア> 隠された契約を痛み歌う 塞がれたいばらの檻で 触れ合えぬ冥府の向こう 声だけが 静かに 二人の糸 繫いで 少年は取引をした 愛し人 還らせる為 “成れの果てのお前を呼び給うた” “成れの果ての私を呼び給うた” 今、此処に… 溶けてゆくいばらの檻は 許されぬ罪の終焉 眠りから 目覚めた 私の名は『Thanatos』 魂の取引をして 愛し人 喰らい続ける “崩れ果てる姿は屍へと…” “沈み果てる姿は絶望へと…” 決して壊れない 永遠に 伏せられた長い睫毛と 突き刺さる紅い十字架 “成れの果ての私を呼び給うた” “成れの果ての貴方を呼び給うた” 凍りつく指先は唯 花のように… おわり