[00:01.15]二色蝶 [00:06.76]Vocal:中恵光城 Arrange:RD-Sounds [00:11.94]Album:凋叶棕 - <徒> [00:17.08]原曲:二色蓮花蝶 [00:20.70] [00:20.84]生きているならば、一度はきっと。 [00:27.22]その命、危機に曝されもするだろう。 [00:33.12]そう、生きるということは、気紛れなもので、 [00:40.00]時に、全ては、意外なほど呆気無い。 [00:46.41] [00:52.90]生きているならば、その身をきっと。 [00:59.15]餌食として狙うものも居るだろう。 [01:05.19]そして、哀れながら、狙われたものは、 [01:11.95]その力では、抗う術を持たない。 [01:18.01] [01:18.29]思えば、意味のない生涯。 [01:21.55]永らえても、望みなどなくば。 [01:24.79]これが、この身の定めと、唯々受け容れよう。 [01:30.99] [01:31.15]——これまで、と、覚悟の刹那。 [01:34.18]視界に広がった光景は、 [01:37.43] [01:37.61]紅く、白く、妖しく、烈しく、そして、強靱く。 [01:43.86] [01:44.00]舞う、二色の蝶。 [01:46.34] [01:46.63]宛ら、 [01:47.28]——忘我。 [01:48.59]それが、幻の果てなる、徒花。 [01:53.71]——萌芽。 [01:53.70] [01:54.56]匂い立つように、ひらりひらりと。 [01:59.61] [01:59.99]——散華。 [02:01.17]留まる全ての花を散らすように。 [02:06.25] [02:06.47]——蓮花。 [02:07.37]重なる姿に何を見たか。 [02:12.85] [02:13.17]空の昏さを閉じ込めた瞳で、 [02:18.77]永遠を揮う姿は何より美しく。 [02:25.63]咎色の花を、はたと、袚らす。 [02:31.55] [02:31.70]その名さえ知らぬ、二色蝶。 [02:38.41] [02:51.42]生きているならば、一度はきっと。 [02:57.71]その命、捧げたくもなるだろう。 [03:03.69]だが、生きるということは、冷たいもので、 [03:10.56]時に、全ては、意外なほど素っ気無い。 [03:16.55] [03:16.97]あゝせめて一目、一目と。 [03:19.85]求めた姿の在る所以は、 [03:23.31]我々にはけして揮わぬ力の所作。 [03:29.58] [03:29.77]人の身で叶わぬのなら、 [03:32.74]この身を堕とせばいいのだ、と。 [03:36.11] [03:36.27]再び、「あれ」と出逢うことが出来るのなら、 [03:42.58] [03:42.78]何をも厭わぬ。 [03:44.27] [03:44.77]ただただ、 [03:45.74]——高雅。 [03:46.67]其方は、幻に咲く、婀娜花。 [03:51.89] [03:52.17]——端雅。 [03:53.10]この心のうちに、はらりはらりと。 [03:58.25] [03:58.55]——因果。 [03:59.55]棄てた命に意味を与えたように。 [04:04.75] [04:04.95]——蓮花。 [04:05.87]重なる姿に幻想を見たか。 [04:11.34] [04:11.53]美しければそれでいいのだと、 [04:17.24]あの姿のままで、永久に在れよと焦がれつつ。 [04:24.16]咎色の花を、はらと、舞わす、 [04:30.05] [04:30.15]その名さえ知らぬ、二色蝶。 [04:36.58] [04:36.99]花を散らすのは、 [04:42.00]其方が、望むことなのか? [04:49.52] [04:49.77]其方も、そして咲かせるのか。 [04:56.11]散らすだけでも、飽き足らず。 [05:02.55] [05:02.72]ならば、もとより捨てた命、せめて、花を咲かせよう。 [05:17.42] [05:19.47]そうして、 [05:20.33]——開花。 [05:21.23]この身は、幻の果ての、徒花。 [05:26.49] [05:26.69]——散我。 [05:27.62]オマエが、忌むべきこの姿なら。 [05:32.77] [05:33.10]——奉我。 [05:34.07]想いを吼える物怪を袚うように。 [05:39.42] [05:39.59]——蓮花。 [05:40.46]この身を焼くことを今、願う。 [05:45.81] [05:45.96]さぁ、今再び、永遠を手に! [05:52.02]その全てを以って、この身をただの幻想と帰せ。 [05:58.76]咎色の花を、ざあと、袚らせ、 [06:04.62] [06:04.96]その名さえ知らぬ、二色蝶。 [06:11.62] [06:15.41]終ぞ、その名さえ知らぬ、二色蝶。 [06:25.52] [06:32.36]by_hakosh