通り過ぎてく電車のように 風がガラスを揺らしたように 時計の針の刻んだ音が 僕の耳から離れない ひとつ息ふきかける 煙草を踏みつける 紫に滲む空 雨がふる 踏みなれた枯れ草の道を進んで ずっと前から知っていたはずのこと 今日はなんだか日差しが強いね またぐるり季節が廻る 僕は取り残された気分で 小走りで君を追いかける 僕は目をつむったまま君が 階段を降りてゆく音を聞く 夜は沈んで行く ぽつり小さな夜の影に隠れて 月明かりに背中を向けて伸ばした 左手がまたいつか空の向こうに届く気がした ひとつ息吹きかける 風が止まっている 煙草の煙の流れる方へまるで 僕らは逃げ出すみたい ずっと探していたこと もう忘れてしまうよ 言葉にしたいけど もっと時間がかかるよ それでも 僕らは生きていかなきゃいけないみたいだ 時計の針が刻む