[00:31:000]散りゆく花はまた咲くに  [00:41:000]ときと時節が来るならば [00:50:000]死に逝く人は帰り来ず   [00:59:000]浮き世のうちが花なのよ [01:09:000]戦さ戦さの明け暮れに   [01:17:000]戦火逃れてふるさとへ [01:26:000]帰りを急ぐ親子連れ    [01:35:000]嘉義丸便りに船の旅 [01:44:000]五月の二十日に大阪を   [01:53:000]親子笑顔で船出して [02:01:000]鹿児島みなとに入るまでは [02:09:000]雨風もなく波もなく [02:19:000]鹿児島みなとをあとにして [02:29:000]二十六日十時半 [02:37:000]大島岬も目について    [02:46:000]宝の島の沖合で [02:56:000]ああ憎らしや憎らしや   [03:06:000]敵の戦艦魚雷艇 [03:14:000]打出す魚雷の一弾が    [03:22:000]嘉義丸船尾に突き当たる [04:11:000]親は子を呼び子は親を   [04:23:000]船内くまなく騒ぎ出す [04:34:000]救命胴衣を着る間なく   [04:44:000]浸水深く沈みゆく [04:54:000]天の助けか神助け     [05:06:000]ふたたび波間に浮き上がり [05:17:000]助けの木材手にふれて   [05:26:000]親子しっかり抱きしめる [05:36:000]思う間もなくいとまなく  [05:47:000]追いさらわれて海原へ [05:58:000]これが最後の見納めか   [06:08:000]親子最後の見納めか [06:18:000]波間に響く声と声     [06:29:000]共に励まし呼び合えど [06:39:000]助けの船の遅くして    [06:50:000]消えゆく命のはかなさよ [07:00:000]親を恋しと泣く子らの   [07:10:000]いとし子呼んで泣く親の [07:21:000]嘆きの声が聴こえたら   [01:31:000]御霊よ天の星となれ [01:41:000]御霊よ天の星となれ