波を結い 囁く 籠の鳥は飛び出して 見上げた箱庭 波間からひとつ ふたつ から くらよ 傘が覗く 私の声 聞こえるかな 誰かいませんか? おやおや何かな これはこれは 可愛いお嬢さん おもはゆいけれど ひとつ歌でもいかが 青く海を見た ミモザの声に 息づいて伝う 古時計の音 遠く旅に出る 鍵をかけた三日月 舞に夜 星を待つ 波の花 傅く 籠の鳥は舞い上がり 育てた真珠に ミズハの街はゆらり ゆれる から くらよ 森を泳ぐ 私の歌 聞こえるかな 誰か遊びましょう あらあら知らないの これはこれは 君も出来るよ おもはゆいけれど ほらね笑顔が見える 青く広がったミモザの声に 手をとって伝う水凪風の歌 遠く瞑ぐとも 水脈に乗せた、簪 庵に吹け 船を待つ 貝殻を割って碇を編んでゆく 組み立てて足を揃える 合わせてかこつけて かがりの葉散らして 今花が咲く 麗らかな ミズハの歌 青く重なったミモザの世界 歩み寄って伝う泡沫の言葉 遠くどこまでも 下弦の月と彗星 舞に夜 鐘を待つ